高齢者のお口のトラブルとケア ②-2
- その他
前回に引き続き今回は、変化している高齢者の歯とお口についてご説明致します。
🔴歯がすり減る
長年にわたる食事などにより、歯と歯や、歯と食べ物との接触、歯ぎしりなどが原因で、知らず知らずのうちに歯の表面を覆うエナメル質がすり切れ、象牙質が選出してきます。
この状態が進むと知覚過敏や歯の神経(歯髄)に影響が出たり、むし歯にもなりやすくなります。
🔴歯ぐきが下がる
歯ぐきも加齢とともに退縮してきます。
歯ぐきが痩せてきて歯根部が選出すると、歯と歯のすき間が広がり、食べかすがはさまったりして、歯垢や汚れが溜まりやすくなります。
これに伴い、歯みがきが難しくなって、みがき残しが多くなると、さらに歯石もつきやすくなります。
この影響で、むし歯の発生や歯周病の発症率が高まり、加齢変化から病的変化へと進行することになります。
🔴くさび状にすり減る
歯ぎしりや噛み合わせの強さなどが原因で、歯のエナメル質とセメント質の境目付近が侵されて、根の一部がえぐれるように欠換して、くさび状にえぐれてきます(くさび状欠損)。
くさび状欠損が生じると、知覚過敏を引き起こしやすくなります。また、欠が拡大すると、むし歯になったり、歯が折れたりします。
🔴口に食べかすが残りやすくなる
歯ぐきの退縮や歯周病などが原因で生じた歯のすき間には、食べかすや歯垢が溜まりやすくなります。
さらに、口腔を構成する筋肉や舌の動きである、咀嚼、飲み込み、唾液分泌の能力が低下してくることで、お口の中に食べかすが残り、口腔環境が悪化して、むし歯、歯周病、肺炎のリスクが一層高まります。
思い当たることはないでしょうか。
少しでも気になることがあれば歯科医院の受診をお勧めしております。
この記事は、公益財団法人8020推進財団のホームページより抜粋したものです。