子どもの「お口ぽかん」と睡眠、大丈夫? ~よく寝る・よく噛む・よく動くことが健やかな成長につながります~
- 歯科情報ブログ
子どもの「お口ぽかん」と睡眠、大丈夫? ~よく寝る・よく噛む・よく動くことが健やかな成長につながります~

お子さんがテレビを見ているとき、何もしていないとき、お口がぽかんと開いていませんか?
また、寝ているときにいびきをかいたり、朝なかなか起きられなかったりすることはありませんか?
実は、子どものお口の機能と睡眠は、健やかな成長を考えるうえで、どちらも大切なテーマです。
今回は、日本学校歯科医会誌第139号に掲載された奥野健太郎先生の「睡眠歯科で子供たちの心身を育む」などの記事を参考に、子どもの睡眠とお口の発達についてご紹介します。
1.「寝る子は育つ」は科学的にも大切なこと
昔から「寝る子は育つ」といわれています。
睡眠には、脳や身体を休ませるだけでなく、子どもの成長や心身の健康を支える重要な働きがあります。
睡眠不足は、肥満のリスク、気分の落ち込み、学業成績などと関連することが報告されています。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、次の睡眠時間が目安として示されています。
| 年齢 | 推奨される睡眠時間 |
|---|---|
| 1~2歳 | 11~14時間 |
| 3~5歳 | 10~13時間 |
| 小学生 | 9~12時間 |
| 中学生・高校生 | 8~10時間 |
※昼寝を含む目安です。必要な睡眠時間には個人差があります。

夜更かしが習慣になっていないか、十分な睡眠時間が確保できているか、家庭で見直してみましょう。
2.子どものいびきは見過ごさないで
大人だけでなく、子どもにも睡眠時無呼吸症があります。
睡眠中に気道が狭くなったり、塞がったりすることで、呼吸が妨げられる病気です。
次のような様子があれば注意が必要です。
- 毎晩のように大きないびきをかく
- 寝ているときに呼吸が止まるように見える
- 苦しそうに呼吸している
- 寝相が極端に悪い
- 朝起きにくい、日中に眠そうにしている
- 集中しにくい、落ち着きがない
子どもの睡眠時無呼吸症には、扁桃やアデノイドの肥大、鼻の病気、肥満、顎顔面の形態などが関係することがあります。
気になる症状が続く場合は、耳鼻咽喉科や小児科などで相談することが大切です。
3.「お口ぽかん」は口腔機能発達不全症のサインかも
普段から唇が閉じられず、お口が開いている状態を「口唇閉鎖不全」といいます。
お口ぽかんは、口腔機能発達不全症でみられる症状の一つです。
口腔機能発達不全症とは、子どもの「食べる」「話す」などのお口の機能が、年齢に応じて十分に発達していない状態をいいます。
例えば、
- いつもお口が開いている
- 食べるときにクチャクチャ音がする
- 食べ物をうまく噛めない
- 飲み込み方に癖がある
- 舌が前に出る
- 発音がはっきりしない
といった様子がみられることがあります。

ただし、お口が開いているだけで病気と決まるわけではありません。鼻づまりなどの原因も含めて確認する必要があります。
4.お口の機能は歯並びにも関係します
歯並びや噛み合わせには、遺伝的な要因だけでなく、舌や唇、頬の使い方、口腔習癖なども関係します。
例えば、飲み込むときに舌を前に押し出す癖や、日常的に唇を閉じにくい状態などは、歯並びや噛み合わせに影響する場合があります。
そのため、歯並びだけを見るのではなく、お口をどのように使っているかを確認することも大切です。
5.家庭でできる「お口を育てる」生活習慣
子どもの口腔機能を育てるためには、毎日の生活習慣が大切です。
① よく噛んで食べる
年齢や発達に合った食材を選び、落ち着いて食事をしましょう。無理に硬いものを食べさせる必要はありません。
② 食事中の姿勢を整える
椅子や机の高さを調整し、足が安定する姿勢で食べられるようにしましょう。

③ お口が開いていないか観察する
テレビを見ているときなど、普段の唇の状態を確認しましょう。鼻づまりがある場合は、無理に口を閉じさせず、原因を確認することが大切です。
④ 規則正しい睡眠習慣をつくる
朝は太陽の光を浴び、朝食をとり、日中は身体を動かすことが、生活リズムを整える助けになります。
⑤ 楽しく身体を動かす
外遊びや運動など、全身を使う活動も健やかな成長に大切です。
お口のトレーニングが必要な場合は、歯科医院で機能を評価し、お子さんに合った方法を選びます。
6.歯科医院でも子どもの成長をサポートします
歯科医院の役割は、むし歯を治すことだけではありません。
歯並びや噛み合わせに加えて、噛む・飲み込む・話すといったお口の機能を確認することも重要です。
お口ぽかん、食べ方、舌の動きなど、気になることがあればご相談ください。
睡眠中のいびきや呼吸の異常が疑われる場合は、必要に応じて医科と連携して対応します。
おわりに ~子どもの健やかな成長のために~
子どもの成長を支えるのは、特別なトレーニングだけではありません。
よく寝る、よく噛んで食べる、よく身体を動かす。
そして、お口の機能が年齢に応じて育っているかを見守ること。
こうした毎日の積み重ねが、子どもたちの健やかな成長につながります。

小林歯科医院では、加古川市の地域の皆さまに、お子さんのお口の健康と発達について、これからも情報をお届けしていきたいと思います。
【参考・引用ソース】
-
日本学校歯科医会『日本学校歯科医会誌』第139号、奥野健太郎「睡眠歯科で子供たちの心身を育む」(ご提供資料)
-
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
-
日本小児歯科学会「口腔機能発達不全の治療に関する重要なお知らせ」(2026年1月20日)





