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血糖が唾液に出る? 糖尿病とむし歯の意外な関係 〜最新の研究より〜

  • 歯科情報ブログ

血糖が唾液に出る?

糖尿病とむし歯の意外な関係
〜最新の研究より〜

「甘いものを控えているのに、なぜかむし歯になる」
「しっかり歯みがきをしているのに、むし歯を繰り返す」

そんなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?

実は最近、糖尿病や高血糖と“むし歯”の新しい関係が、最新の研究によって明らかになりました。


■ 血液中の糖は、唾液にも出てくる

糖尿病などで血糖値が高い状態が続くと、
血液中の糖(グルコース・フルクトース)は、尿だけでなく 唾液にも移行 します。

これまで
「むし歯は、甘いものを食べたから起こる」
と考えられてきましたが、

👉 食事をしていない時間帯でも、口の中に糖が供給され続ける

という事実が、最新の研究で明確になりました。


■ 世界で初めて明らかになった新しい仕組み

今回の研究では、
唾液腺の出口から分泌直後の“腺唾液”を直接採取し、メタボロミクス解析を行う
という新しい手法が用いられました。

その結果、

  • 血液から唾液へ糖が移行していること
  • 唾液中の糖が、歯垢中の細菌バランスを変化させること
  • むし歯菌(ミュータンス菌など)が増え、酸を多く産生すること

が、世界で初めて明らかになりました。


■ 唾液中の糖が、むし歯リスクを高める理由

唾液に糖が含まれると、口の中では次のような変化が起こります。

  • むし歯菌が活発に増える
  • 歯を守る善玉菌が減る
  • 口腔内が酸性に傾き、歯が溶けやすくなる

つまり、

「食べていないのに、口の中が甘い状態」

が続いてしまうのです。


■ 血糖コントロールで、口の中は改善する

※すべての糖尿病の方が必ずむし歯になる、という意味ではありません。

研究では、糖尿病患者さんに対して血糖管理を行ったところ、

  • 唾液中の糖が減少
  • 善玉菌が増加
  • 口腔内環境が明らかに改善

することも確認されました。

これは、
血糖コントロールが、むし歯予防にも直結する
ことを示しています。


■ 歯みがきだけでは不十分な理由

※これは「歯みがきをしても意味がない」ということではありません。
日々の歯みがきは、むし歯予防の基本としてとても大切です。

しかし今回の研究が示しているのは、

  • 外側からのケア(歯みがき・清掃)
  • 内側からのケア(血糖管理)

この両方がそろって、初めて本当の予防になる
ということです。


■ 今日からできるポイント

✔ 甘いもの・果物は「量」と「頻度」を意識する
✔ 血糖値を意識した生活習慣
✔ 定期的な歯科検診で早期チェック
✔ 内科と歯科の連携を大切にする
気になる方は、歯科での定期チェックとあわせてご相談ください


■ 医科歯科連携が、これからの予防医療です

今回の研究成果は国際学術誌に掲載され、
血糖管理が歯周病だけでなく、むし歯予防にも極めて重要
であることが示されました。

小林歯科医院では、
「お口の中だけを見る歯科」ではなく、
全身の健康とつながった歯科医療 を大切にしています。

血糖値が気になる方は、
むし歯予防の一環として、歯科でもぜひご相談ください。


■ 出典・参考文献(オープンアクセス論文)

本記事の内容は、以下の国際学術誌に掲載されたオープンアクセス論文をもとにしています。

Diabetes alters the supragingival microbiome through plasma-to-saliva migration of glucose and fructose
(糖尿病は、血漿から唾液へのブドウ糖と果糖の移動を通じて歯肉上微生物叢を変化させる)

  • 掲載誌:Microbiome
  • 論文種別:オープンアクセス(全文閲覧・PDFダウンロード可)
  • 公開日:2025年12月4日
  • 記事番号:Microbiome(2025)
  • DOI:10.1186/S40168-025-02256-X
  • アクセス数:172
  • Altmetric:34/言及数:5

※本論文は現在、最終編集前の未編集版(Early Access)として公開されています。
※研究内容の方向性や結論が大きく変わるものではありません。


■ 図の出典について

図提供:糖尿病専門医 西田 亙 先生(Facebookより)


✳ 小林歯科医院より

当院では、
「歯だけを見る歯科医療」ではなく、全身の健康とつながる歯科医療を大切にしています。

糖尿病をお持ちの方、血糖値が気になる方は、
どうぞお気軽にスタッフまでお声かけください。

監修者情報

小林歯科医院 院長 藤家 恵子

小林歯科医院 院長

藤家 恵子Fujiie Keiko

専門領域
専門領域:歯周病治療/入れ歯(義歯)/インプラント/口腔外科/有病者・障がい者歯科、訪問歯科・口腔ケア支援。
略歴
朝日大学歯学部卒。神戸市立医療センター中央市民病院 歯科・口腔外科での研修、臨床基盤の確立。PL病院付属歯科診療所・神戸市健康保険組合診療所での外来診療と副医長としてのチーム運営経験。小林歯科医院に参画後、副院長を経て2009年に先代を継承し院長就任。一般歯科から歯周病・義歯・インプラント・口腔外科、有病者・障がい者・訪問まで幅広く診療し、地域医療に継続的に取り組んでいます。
所属学会・スタディグループ
日本臨床歯周病学会/アメリカ歯周病学会(AAP)/日本障害者歯科学会/日本口腔感染症学会・JSCO(ジアズステディークラブ大阪)/O.J(Osseointegration Study Club of Japan)/K-PROJECT
社会活動・専門貢献
加古川歯科保健センター:障がい者歯科診療担当として隔週で出務・東日本大震災・能登半島地震などで災害医療ボランティアとして口腔ケア支援。災害時の口腔ケア啓発講演を継続。

患者様へのメッセージ

お一人おひとりが納得して選べるよう、検査結果と各治療の利点・注意点を丁寧に説明し、生活背景に合わせた無理のない計画をご提案します。予防から専門治療、訪問での口腔ケアまで切れ目なく支援し、長く安心して任せていただける「地域のかかりつけ歯科」として寄り添い続けます。