子どもの「お口ぽかん」原因は?口腔機能発達不全症のチェックと対策
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子どもの「お口ぽかん」原因は?口腔機能発達不全症のチェックと対策

「食事中に口が開きっぱなし」「発音がはっきりしない」――そんな症状は、口腔機能発達不全症のサインかもしれません。
この症状を早期に発見し対応することが、将来の健康を守るカギになります。
1. 口腔機能発達不全症とは?
成長期に必要な「噛む」「飲み込む」「話す」「呼吸する」といった基本的な口の機能が十分に発達していない状態をいいます。
放置すると咬合異常や口呼吸の習慣化につながり、全身の健康にも影響を与える可能性があります。

摂食嚥下の準備期・口腔期の症状と対応表
2. チェックリスト:こんなサインはありませんか?
食事に関するサイン
- 噛む力が弱く、固い食べ物を嫌がる
- 丸のみ、むせやすい
- 食べこぼしが多い
- 食事スピードが極端に遅い
発音・言語に関するサイン
- 「さ行」「ら行」など特定の発音が不明瞭
- 声が小さい、話すテンポが不規則
- 口を大きく開けられず、こもった声になる
呼吸に関するサイン
- 口呼吸が多い
- いびきや無呼吸の兆候
- 呼吸が浅い、口周囲の筋力が弱い
口腔内のサイン
- 舌の位置が正しくない(舌突出・低位舌)
- 歯並びの異常
- 舌小帯の短縮
- 歯磨きを極端に嫌がる
表情・姿勢に関するサイン
- 表情が乏しい
- 唇が閉じにくい
- 姿勢が悪い
- 食後や会話後に顎の疲れを訴える


チェック結果の目安
- 0〜5項目:大きな問題は少ないが経過観察が必要
- 6〜10項目:兆候あり、専門相談を推奨
- 11項目以上:強く疑われ、精密検査・治療が必要
3. 診断・検査の流れ
口腔機能発達不全症の診断は次の流れで行われます。
- 問診・観察:食事や発音、呼吸などを日常生活から評価
- 口腔内診査:歯並び、舌や唇の動き、咬み合わせを確認
- 機能的検査:
・口唇閉鎖力検査、舌圧検査
・咀嚼回数、咬合力測定 - チェックリスト評価:2項目以上(うち1つは「食べる機能」)で診断
- 治療計画:健康保険適用の場合もあり、月1回通院を6ヶ月単位で継続

正常嚥下と異常嚥下の比較(食事姿勢イラストつき)

4. 自宅でできるトレーニング(MFT:口腔筋機能療法)
家庭で楽しみながらできる口腔機能トレーニングの例です。
- あいうべ体操・パタカラ体操:口や舌の動きをスムーズにして嚥下を改善


- シャボン玉・風船・口笛:遊びながら唇や頬の筋肉を強化
- スポットポジション法・ポッピング法:舌の正しい位置を意識
- スラープ&ストロー法:正しい飲み込み方を練習

口腔機能発達と低下のイメージ図
5. 早期発見のポイント
次のような様子が見られたら注意が必要です。
- 食事中に口が開きがち(お口ぽかん)
- 飲み込みのときに舌が前に出る(舌突出)
- 口呼吸が習慣化している
- 発音が不明瞭
- 片側ばかりで噛む(偏咀嚼)

まとめ

口腔機能発達不全症は、成長過程で改善が期待できる症状です。
定期的な歯科検診と家庭でできるトレーニングの継続が、健康な発達を支えるカギになります。
少しでも不安を感じたら、早めに歯科医に相談してください。
小林歯科医院 院長 藤家恵子 監修





