小児歯科学会が推奨する『食育』とは?〜歯と口の健康が子どもの未来を守る〜
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小児歯科学会が推奨する「食育」とは?
〜歯と口の健康が子どもの未来を守る〜
監修:小林歯科医院 院長 藤家恵子
はじめに
「食育」という言葉は、今や多くの場面で耳にするようになりました。
国は2005年に「食育基本法」、2006年に「食育推進計画法」を制定し、国民運動として広く推進しています。
その目的は、子どもから大人まで、生涯にわたって心身の健康を育むために「食べること」を正しく学び、実践することです。
子どもたちが「生涯おいしく食べる力」を育むために――そのカギは“歯と口の健康”にあります。
小児歯科学会は、食育を進めるうえで歯と口の役割がとても大切であると提言しています。

食育と歯科の深い関係
「食育」の最終目標は “生涯を通じておいしく、楽しく食べること”。
これを実現するには、健康な歯と口の機能が欠かせません。
例えば、
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よく噛んで食べることで唾液が分泌され、消化が促進される
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顎の発達や正しい咬合(かみ合わせ)が育つ
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味覚や咀嚼リズムなど、五感を育てる
こうした一つひとつが、子どもの心身の健康形成に直結しています。
ライフステージごとの食育のポイント
1. 胎児期
妊娠中の母親の栄養状態が、赤ちゃんの歯や口の発育に影響します。
妊婦健診とあわせて歯科健診を受け、口腔内を清潔に保ちましょう。
2. 乳児期・離乳期
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母乳育児は、病気予防や絆を深めるだけでなく、咀嚼や嚥下機能の基礎づくりにも効果的。
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指しゃぶりやおもちゃを口に入れる行動は、口の動きを学ぶ自然な過程です。
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歯の生え方に応じて、離乳食の形態を少しずつ変えましょう。
3. 幼児期(就学前)
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1歳半〜3歳で奥歯がかみ合い始めるので、噛み応えのある食材を取り入れることが大切。
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箸やスプーンの使い方、食事中の姿勢を学ぶのもこの時期です。
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家族と一緒に、楽しく食卓を囲む習慣を育てましょう。
4. 学齢期(小学生・中学生)
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永久歯が生えそろう時期。噛む力を育てるトレーニングが必要です。
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食事が軟らかく、甘い飲料を摂る習慣は虫歯や歯周病の原因になります。
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家族でバランスの取れた食生活を心がけ、よく噛む習慣を継続させましょう。
5. 青年期(高校生)
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親知らずを除く永久歯が完成する時期です。
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自己管理能力の差が現れるため、定期的な歯科検診と歯周病予防が重要になります。
小児歯科からのアドバイス
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食べる習慣の基礎は「子どもの時期」に形づくられます。
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間食や夜食、砂糖の多い飲料の摂取を減らし、食事は「よく噛む」ことを意識しましょう。
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家庭・保育園・学校・地域が連携し、子どもの食習慣をサポートすることが大切です。
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定期的に歯科医院で口腔内チェックを行い、発育段階に合わせた指導を受けましょう。
小児歯科学会の提言の意義
日本小児歯科学会の提言は、単なる学術的な知見にとどまらず、日々の家庭での食習慣づくりに直結する実践的な指針です。
親御さんや地域が子どもの成長に寄り添う上で、歯と口の健康を意識した食育は欠かせないものといえます。

まとめ
現代は飽食の時代と言われますが、「食べる」ことの大切さを学ぶのは子どものうちです。
同時に、健康な歯と口を維持する習慣を身につけることが、豊かな人生を送るための土台となります。
小児歯科学会の提言は、子どもたちの未来を守るための貴重な指針です。
当院でも食育・歯の健康相談を受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
参考文献・引用
日本小児歯科学会 「『食育』推進についての日本小児歯科学会からの提言(メッセージ)」
https://www.jspd.or.jp





