感染性心内膜炎(IE)と歯科治療の関係
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【歯科と全身のつながり】
感染性心内膜炎(IE)と歯科治療の関係
みなさんは「感染性心内膜炎(IE)」という病気をご存じでしょうか?
これは、お口の中の細菌などが血液を介して心臓に感染を起こす病気で、放置すると重い心臓病を引き起こす可能性があります。特に心臓に基礎疾患がある方は命にかかわることもあり、歯科治療を受ける際には注意が必要です。
感染性心内膜炎はお口からも起こる?
歯周病や抜歯、歯石除去(スケーリング)などの歯科処置では、一時的にお口の細菌が血液中に入ることがあります。これを「菌血症」と呼びます。
健康な方であれば自然に処理されることが多いのですが、心疾患をお持ちの方では心臓の内膜に細菌が付着し、感染性心内膜炎を発症するリスクがあります。
感染性心内膜炎のリスクが高い方
日本循環器学会のガイドラインでは、IEのリスクが高い方を次のように分類しています。
◎ 高度リスク群(特に注意が必要な方)
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人工弁を使用している方
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過去に感染性心内膜炎にかかったことがある方
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一部の先天性心疾患(未修復のチアノーゼ型、修復後でも残存シャントがある場合)
このような方には、**歯科治療前に抗菌薬の予防投与(プロフィラキシス)**が推奨されています。
◎ 中等度リスク群
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大多数の先天性心疾患
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後天性心弁膜症
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ペースメーカーや植込み型心臓デバイスを使用している方
この場合は、患者さん一人ひとりの病状に応じて対応を検討します。
歯科治療前に抗菌薬を服用することがある?
はい。特に高度リスク群の方には、歯科処置の1時間前に抗菌薬(主にアモキシシリン)を単回服用することで感染リスクを下げることが推奨されています。
例)アモキシシリン 2gを処置の1時間前に内服
(※体重やアレルギーの有無によっては別の薬剤が選ばれることもあります)
感染を防ぐためにできること
感染性心内膜炎は、日常の口腔ケアで予防につなげることができます。
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毎日の正しい歯みがき
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定期的な歯科検診と歯のクリーニング
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歯周病や虫歯を早期に治療する
これらを徹底することで、お口の健康だけでなく心臓の健康も守ることができます。
【まとめ】
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感染性心内膜炎は命に関わる可能性のある病気
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心疾患のある方は歯科治療前に抗菌薬予防投与が必要な場合がある
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普段の口腔ケアが心臓病予防にもつながる
当院では、心疾患をお持ちの方に対しても事前の問診を徹底し、必要に応じて医科と連携しながら安全に治療を行っております。
歯科治療を受ける際は、必ず主治医からの紹介状や心臓のご病気についての情報をご持参ください。
ご不安な方はお気軽にご相談ください。

小林歯科医院 院長 藤家恵子 監修





